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卒業生の近況と教授(ゼミ)紹介

第28回 入戸野ゼミの紹介

 入戸野ゼミは2004年に開講され、今年で16年目を迎えます。このゼミでは、経営分野を含む種々の領域における 問題や課題、あるいは各自が持つ興味対象に対して、情報技術をどのように利活用できるかを考え、今後の情報技術のあるべき方向性を展望することを主なテーマとしています。
 具体的な活動は、およそ年度の前半では、時々のトピックの中から皆で相談して決めたテーマについて文献を選定し、知識を身につけ知見を広げる輪読を行っています。 ここ数年では特にAI (人工知能) やシンギュラリティーといった話題に興味を持つゼミ生が多く、AIの普及によって今後より重要性を増すスキルや、 逆にAIに代替され得る職業などについて考えながら、今後の自分たちの進路や将来との関わりなども含めて考察しています。
 夏には毎年ゼミ合宿を実施しています。行事内容としては、各々がインターネットサービスやGAFAなどを含む情報関連企業の中から1つ対象を選び、 その特徴・ビジネスモデル・今後の展望などを調査・考察しプレゼンテーションを行うことが義務ですが、これは合宿の目的の半分で、後の半分は好きなように企画し周辺散策に出かけたり、 夜は定番のバーベキューや懇親会、花火大会などで盛り上がり親交を深めています。
 年度の後半は、多くの場合はプログラミングの学習を行っています。ここ数年は、Ruby、Java、Python、JavaScriptなどを年度ごとに取り上げて、基礎文法の理解からアルゴリズムの検討までを実習を交えながら学んでいます。
 加えて4年生になると、各自のテーマで卒業研究を進めていくことになります。今年は、IoTの各種サービス、Society 5.0の未来社会、AIの現状と課題などといったテーマで進められており、毎年12月~1月のこの時期は、 最終回の卒業研究発表会と卒業論文の提出へ向けて、皆とても忙しくゼミ活動に勤しんでいます。
 年末にはOB会も実施していますが、これは現役ゼミ生がOB・OGとつながりを持てる貴重な機会であるだけでなく、私自身にとって、一層成長した卒業生の皆さんの近況に触れることができるとても楽しみな時間でもあります。

第27回 池田ゼミの紹介

経営学部で「数学」のゼミを担当している池田宏一郎と申します。
池田ゼミは2003年に発足し、今年で17年目となります。発足当時は人数が少ないときもありましたが、現在では毎年20名前後の学生が所属するゼミになりました。 このゼミは「数学」のゼミですが、経営学部なので、もちろん、数学の専門家を育てるゼミではありません。では一体なにを目的とするゼミなのでしょうか? 経営学部は、市ヶ谷にある学部の中で、「数学」に最も関係が深い学部だと思います。よって、専門に必要な「数学的知識」(微積分、線形代数、偏微分、確率統計など)を身に着けることを、ゼミの目標のひとつに掲げてもよいのかもしれません。 しかし、池田ゼミでは、「数学的知識」よりも「数学的思考」を身に着けてもらうことに重きを置いています。 「数学」とは、一言でいえば、人間の思考パターンを分類・整理する学問です。 高校までの数学は、解けることがわかっている問題に対して、その解法を理解することが主眼になります。 しかし、数学の面白さは、正しいかどうか分からない問いに対して、試行錯誤を繰り返しながら、いろいろな解法をみつけていくことにあります。解法の中には、スマートな解法や遠回りの解法など、様々なものがあるでしょう。しかし、一見、遠回りにみえる解法が実は多くの可能性を含む場合が多々あります。 このようなことをまとめて理解することが「数学的思考」なのです。 池田ゼミでは、答えがあるかどうか分からない問題に対して、グループに分かれて検討・発表する形式でゼミを行っています。この形式の授業から、私自身が学んだことは、発表の良し悪しは簡単には決められない、ということです。 要領を得ない発表だなあと思い、口を挟みそうになっても、最後までよく聞くと、私などが想像もつかない解法だったということが、かつて何回もありました。そして今では、学生の伸びやかな思考を邪魔しないよう、話をよく聞くようになりました。 この文章を書く機会をいただき、過去17年間のゼミの学生を可能な限り思い浮かべてみました。そして、個性豊かで優秀な学生たちと、ゼミを通して接することができ、また「数学的思考」を一緒に学ぶことができ、本当に恵まれた環境にいるなと思いました。 大げさな言い方になりますが、初めて出会うような困難に、少しは「数学的思考」が役に立つかもしれません。それでも、くじけそうになったら、特に若い卒業生のみなさん、 「ペシャンコにされてもへこたれないぞ(I’m really dragged but nothing gets me down)」の気持ちでどうか頑張ってください。ご活躍を祈念しております。

第26回 小川(憲)ゼミの紹介

卒業生の皆様、こんにちは。小川憲彦と申します。
キャリア・マネジメント論、組織論入門、経営組織特論などを担当しています。現在はキャリアセンターも管掌しております。専門は組織心理学です。この領域にはモチベーション論、リーダーシップ論、キャリア論などが含まれます。 ゼミナールにおいては、いやしくも学位(経営学学士)を出す以上、少しでも学問研究に触れてもらうため、卒業研究を必須としています。もうわかっている事を学ぶことが勉強、まだ分かっていないことを探求することが研究です。 まだ分かっていないことが何かを知るためには勉強が必要ですし、その上でさらに、分かっていないことを問題として解決可能な形で特定すること、そしてそれをどう明らかにするのかという方略を考え、実践することが必要です。また経営学ですから、経営の現場で何が行われているかに取り組むため、実際に働く方々や企業さんに自らアクセスしなければなりません。お察しのとおり、これらに取り組むことは、問題発見や問題解決、あるいは行動力やコミュニケーションといった世の中でも求められる能力の訓練にもなります。 毎年、卒論集を出し続け、今年で12巻目になりました。卒業式で卒論集を渡す度、必修科目でもないゼミや卒論をやり遂げた学生たちを、いつも誇りに思ってきました。 この冊子の最後で毎年伝えることは、「法政大学を出たから優秀な皆さん」ではなく「諸君を輩出した法政大学ならば素晴らしい大学だろう」と思ってもらえる自分を目指してほしい、ということです。あるいは「あの大企業に勤める皆さんなら信用できる」ではなく、「皆さんがいるあの会社ならば信用できる」と言ってもらえる卒業生になって下さい、と伝えてきました。それは、ただ会社や誰かに従って生きるのではなく、世の中を自ら切り開いて行こうという「進取の気象」の精神を私なりに言い換えた言葉です。 毎年行っているゼミのOBOG会には、まだまだ若手ばかりですが、次世代リーダーとしての才覚を示す卒業生が多く参加してくれています。同じように進取の気象を体現して下さっているOBOGの皆様のますますのご活躍を祈念申し上げます。

  • 小川(憲)ゼミ1

    小川(憲)ゼミ1

  • 小川(憲)ゼミ2

    小川(憲)ゼミ2

  • 小川(憲)ゼミ3

    小川(憲)ゼミ3

  • 小川(憲)ゼミ4

    小川(憲)ゼミ4

第25回 藤澤ゼミの紹介

 卒業生の皆さん、お元気ですか。久しぶりですね。

 2000年4月にボアソナードタワーが竣工しましたが、あの年に赴任してきてもう20年になります。この間毎年10数名のゼミ生を迎え、「産業史」の講義では毎年400名以上の履修生がいましたので、ゼミの卒業生200名、講義では8000名もの卒業生を送り出してきたことになります。

 前任が地方の国立大学でしたから、ゼミに入れる学生がほぼ半数ということには常に違和感をもっていました。そこで、やる気のある入ゼミ希望者は、できるだけ全員受け入れるように努めました。幸いなことにゼミのテーマの欧州経済は、経営学部ではそれほど人気の高いテーマではなく、毎年丁度いい入ゼミ者数に落ち着きました(写真①はゼミ卒論集、EU統合を提唱した文献、そしてEUの旗)。

 その欧州経済は、赴任時こそ、1999年に単一通貨ユーロが導入され順調に推移していましたが、2008年のリーマンショック以降は一転し、ギリシャ危機、ユーロ危機、さらにイギリスのEU離脱と大問題が続発しました。そのためこの20年間、ゼミで取り上げるテーマには事欠きませんでした。

 ゼミ活動の一環として、毎年11月中旬に開催される関東地方の大学の学生経済ゼミナール大会に参加し、他大学のゼミと討論し、交流を続けてきました(写真②)。そのための準備は、例年9月に実施するゼミ合宿で行ってきました。3年生全員が分担してレジュメを作成します(写真③はゼミ合宿の際のもの)。

 そして4年次には自分の選択したテーマでゼミの卒論を書き、それを論文集に編集し、卒業式の際に配布してきました(写真④は卒業式の日の4年生達。ゼミ卒論集は写真①)。毎年3月には、2年間ゼミで一緒に勉強した学生達を社会に送り出してきました。今秋には最後の入ゼミ生が決まり、また2年間、しっかりヨーロッパを学んでもらおうと思っています。

  • 藤澤ゼミ1

    藤澤ゼミ1

  • 藤澤ゼミ2

    藤澤ゼミ2

  • 藤澤ゼミ3

    藤澤ゼミ3

  • 藤澤ゼミ4

    藤澤ゼミ4

第24回 平田ゼミの紹介

 平田ゼミのテーマはマクロ経済や金融です。それに加え、いわゆる統計データなどの科学的根拠に基づいた議論が出来るように、計量分析手法の基本も学ぶようにしています。

 学期中は教材の輪読が基本ですが、夏休みには、懸賞論文に取り組んでいます。テーマの選択は自由ですが、ゼミ生は何回も先行研究のレビューを行った上で議論を重ねてテーマを固めていきます。懸賞論文は個人ではなく、3~4名のグループとして一つの論文を完成させていきます。グループを作り、一つの目標に向かうことで、組織における各人の役割を認識し、組織内の風通しの良さの必要性、リーダーシップの必要性、議論をすることで考えを整理していくことの必要性を学んでいくことになります。

 今年度のテーマは、ふるさと納税の決定要因、欧州プロサッカーのチャンピオンズリーグにおけるホームアドバンテージの有無の検証、働く女性の家事時間を減らすための家事の機械化や外部化でした。学生も大変ですが、指導をする教員も複数の論文を同時に指導していくのは骨が折れるものですが、果実としての論文が完成した時の達成感は格別です。懸賞論文は、単に提出して終わりではなく、インゼミ(他大学や他学部のゼミとの合同ゼミ)の場でプレゼンテーションされ、学生たちは質疑応答をこなしていきます。

 中央銀行員を経て大学の教員になった経験からすると、入ゼミして来る時点では社会人として採用できるレベルの学生はほとんどいません。しかし、わずか数年の学びを通じて、実力を付けていき、羽ばたいていってくれる姿を見ると、とても誇らしく思います。特に、優等生が更に優等生になるのも面白いですが、それ以上に半分生意気なくらいの「活きの良い」学生が、自ら進んで学んでいき、どんどん進化していくのが非常に興味深いものです。

  • 平田ゼミ1

    平田ゼミ1

  • 平田ゼミ2

    平田ゼミ2

  • 平田ゼミ3

    平田ゼミ3

  • 平田ゼミ4

    平田ゼミ4

第23回 佐野哲ゼミの紹介

 佐野哲ゼミは、私が経営学科専門科目「経営社会学」を担当していることから、活動テーマに「経営社会政策の実践」を掲げるゼミとなっています。経営社会政策という概念はほとんど耳慣れないものだと思いますが、その意味と意義を簡単に説明すると「数ある社会問題に対し、企業の力を引き出しつ、それらの力をもって、その解決を図ろうとする試み」です。似た分野では、「企業の社会的責任」(その理論)、「社会責任会計」(財務情報上での可視化)などがあります。「経営社会政策」はそれらからさらに踏み込んだ、「社会にとって価値ある企業をどう探し、どう育てるか」というとてつもなく大きなテーマです。

 実際のゼミ活動は、そうした「試み」を実践している投資ファンドとのコラボレーションを中心に据えています。本学市ヶ谷キャンパスから徒歩15分程度、麹町に本社を構える「コモンズ投信株式会社」(渋澤健会長・伊井哲朗社長)は、意識の高い個人投資家を中心に運用資金を集め、社会的に価値ある企業を探し出して投資を行うファンドです。そして同時に、その信託報酬の一部を使って、NPOを含む若手の社会起業家を育てる事業を続けています。創業者で現会長の渋澤健さんは、あの「渋澤(栄一)家」の五代目で、米国の大学を卒業後に米ウォール街で働き、帰国後にこの会社を立ち上げた著名な方ですが、ちょうどそのころ知人の紹介を受けて知り合い、個人的に親交を深めてきました。現在の佐野哲ゼミの活動は、そうした私の人間関係の中から生まれたものです。

 コラボ先が投信会社ですから、ゼミ生らは日常から、様々な投資・財務情報に振り回されることになります。彼らの多くが2年で入ゼミした直後の第一関門は、まずそれらを何とか理解できるようになるまでの専門知識を身につけることです。こうした座学は主に、大学の教室で行います。第二に、ゼミ生らは同社のリサーチ部門や運用部門の社員の方々と普段から非常に親しくさせて頂いており、近隣であることもあって、運用説明会や社会起業家を集めた会合など年度を通し様々な機会で「お手伝い」の声が係り、これが有効なインターンシップ経験となっています。そして第三に、ゼミ生らは自ら同社に口座を開設して、月三千円程度の小口で始める積立型の個人投資家となり、同社の皆さんの直接のアドバイスを受けながら「社会的に価値ある企業」を対象に、実際に投資を行うようになります。概ね3年の秋冬がこのレベルで、自身の就活においても、ゼミで覚えた企業情報の分析結果を使い、また各企業の社会的貢献活動にフォーカスを当てながら、面接で自らの意見を堂々と話せるようになっていきます。

 ちょうどこの三月も、年度末の決算報告に係る大きなイベントがあり、ゼミ生全員アルバイトスタッフとして参加し、翌四月には、その社内打ち上げの飲み会に(私抜きで)参加しています(私は学部長関連の会議があり不参加)。

  • 佐野哲ゼミ1

    佐野哲ゼミ1

  • 佐野哲ゼミ2

    佐野哲ゼミ2

  • 佐野哲ゼミ3

    佐野哲ゼミ3

  • 佐野哲ゼミ4

    佐野哲ゼミ4

第22回 西川ゼミの紹介

こんにちは、西川真規子ゼミナールです。当ゼミは開講して16年目となります。担当の西川先生はオックスフォード大学で雇用問題を研究し博士号を取得した後、東京大学社会科学研究所を経て本学に赴任されました。私たちのゼミは、社会科学全般を研究対象としています。経営学部でありながら社会学・社会心理学も学べるという学習範囲の広さを特徴としています。

西川真規子ゼミでは、社会科学のコアコンピタンスの習得を目標に掲げ、1)専門文献を読解し説明、応用する力、2)データを収集、分析、解釈するスキル、3)グローバル社会で通用する発言力、表現力、4)集団活動に必要な自主性、責任感、協調性、傾聴力、共感力、を身につけるべく日々活動しています。

授業において、初年次生は各自が興味関心のある社会問題を取上げ3分間にまとめて発表し、その後全員で議論します。本年度は「日本のカジノ建設に賛成か」「動物園のゴリラの射殺問題」等がテーマに上がりました。本年度のテキスト購読では『Do!ソシオロジー』という教材を用い、現代社会で生じている問題について議論し考察を進めました。これまでにも『社会科学の道具箱』『複雑さに挑む社会心理学』等様々な文献をテキストとして取り上げてきました。来年度はバウマン『社会学の考え方』の読解に取り組みます。

卒業年次生は各自が関心のあるテーマを設定し、アンケート、インタビュー、フォーカスグループ等の様々な調査手法を用いた実証研究を行っています。本年度は「大学生は何故ブラックバイトに巻き込まれてしまうのか」、「スポーツ経験はどのようなライフスキルを育むのか」等が論文テーマとして挙がっています。

毎年夏季に行う合宿では、合宿のプランをゼミ生が自ら企画し運営します。本年度の合宿はつくば(茨城)へ2泊3日で行ってきました。初年次生はグループワークとして「個人の力、集団の力を最大限に発揮するには」というテーマを掲げ研究発表を行い、4年生は卒論の中間発表を行いました。また、勉強以外ではバスケットボール等のスポーツやレクリエーションを通じて信頼関係を深めました。秋の遠足では、国立近代美術館まで足を運び、戦後の建築様式と人々の暮らしの関係について考察を深めました。

当ゼミは先生も優しくゼミ生同士もお互いを認め合い切磋琢磨し合える環境で活動をしています。私たちゼミ生は、これからも西川真規子ゼミらしさを維持しつつ、更なるゼミの発展を目指し日々精進してまいります。これからも温かい目で見守っていただきますようお願い申し上げます。

2017年度 西川真規子ゼミ 代表 岡本大河

  • 夏合宿

    夏合宿

  • 歓送迎会

    歓送迎会

  • 秋の遠足1

    秋の遠足1

  • 秋の遠足2

    秋の遠足2

第21回 児玉ゼミの紹介

 本ゼミは2004年からスタートし、今年で14年目を迎えます。担当は児玉靖司先生で、テーマは主に経営情報学について学んでいます。現在、ネットワーク社会になりつつあり、パソコン、スマートフォンがたくさん世の中に溢れています。経営学をネットワーク社会の面から見て、どうすればインターネットを活かせるかを学んでいます。

 児玉ゼミでは、春学期には3~4グループに分かれて、テーマに沿った研究を行います。今年のテーマの中にはホームページ制作、アプリ制作、広告制作などがありますが、自分たちでテーマを決めるため、毎年様々なテーマとなります。プログラミングを使ってホームページを作成する班であったり、マーケティングの面からアプリを考える班など、いろいろな角度から考えています。また、ホームページ、アプリ制作には経営の知識が必要です。経営の知識を深めるために本を1つ決めて輪読を行い、1人ずつ発表も行っています。

 児玉ゼミでは夏にゼミ合宿を行っています。ゼミ合宿ではグループワークのまとめとして発表を行います。テーマについて相手にはっきり伝わるようプレゼンテーションの練習を何度も繰り返し、それぞれが工夫をして発表の準備をしています。また、様々な観光地を巡り、経営の面から観光地を見るとともに、ゼミ生同士の交流も深めています。

 秋学期には、グループワークの内容をさらに深め、より実用的に近づけていきます。ホームページを作る班であれば、ただホームページを作るだけではなく、みんなに見てもらえるようなホームページを作る、アプリを考える班であれば、より細かなセグメンテーションに分け、学習を深めていきます。

 このゼミの魅力は自由度の高さにあると考えています。研究テーマ、発表内容など自分たちで決定をし、学びます。自分たちで決めることができるため、より考える時間が多くなります。そうすることにより、物事に対してさまざまな角度からの視点を増やしていくことができるのではないかと考えています。また知識を深める方法も自分たちで考え、よりよいゼミを作り上げていくということを目標に取り組んでいます。このゼミがさらに発展し、歴史あるゼミになっていければよいと思っています。

文責:鎌田凌輝(ゼミ長)、佐々木純(副ゼミ長)

  • 児玉ゼミ

    児玉ゼミ

  • 児玉ゼミ

    児玉ゼミ

第20回 山嵜ゼミの紹介

 山嵜 輝ゼミナールは2017年度で6年目となる比較的新しいゼミです。山嵜ゼミでは、証券分析、ポートフォリオ理論、デリバティブ理論、コーポレートファイナンスなどを中心にファイナンス論を学んでいます。具体的には、金融市場動向の発表や証券投資論に関するテキストの輪読などを毎週の授業で行っています。1年を通して金融市場の動きを丹念に観察することで、株価や為替レートの変動要因やその背景となるニュースが明確に理解できるようになるので、ゼミ生としてはとても面白く、やりがいを感じます。また、1年に一度は金融市場に思いもよらない大きなイベントが起こります。昨年の例でいえば、米国のトランプ大統領就任やイギリスのEU離脱です。ゼミでは、このようなイベントが金融市場に与える影響について、様々な議論を展開します。

 さらに山嵜ゼミでは、毎年1回、金融業界で働いている方々をゼミに招いて、実務家講演会を開催しています。2016年度はヘッジファンドのファンドマネージャーをお招きして、「ヘッジファンドとは何か?」、「どのような業務をしているのか?」などの基礎知識から、「トランプ・ショック(トランプ大統領当選直後の株式市場の乱高下)のときの運用成績は?」、「仕事は何時くらいに終わるか?」、「学生時代はどんなことをしていたのか?」など、普段はあまり聴けないようなお話もして頂きました。また2015年度には、法政大学のOBでもある、みずほ投信投資顧問(現 アセットマネジメントOne)の株式運用担当者の方にご講演頂きました。「どのような銘柄に投資するのがよいのか?」、「みずほ投信投資顧問でどのような仕事をしているのか?」など、大変興味深いお話を聴くことができました。

 近況は、先輩が卒業して代替わりし、新年度を迎えて新しいゼミ生が入ってきたところです。ゼミは勉学に励むだけでなく、新しい人間関係を構築する場所です。山嵜ゼミ生の特色としては、何事にも真面目に取り組み、気を抜くときは気を抜く、メリハリのついた学生がとても多いです。ゼミの最中は皆とても真面目に授業に取り組み、意見を出し合ったり、質問したりしますが、授業が終わったらゼミ生で仲良く談笑しています。より良いゼミにしようとゼミ・メンバーで切磋琢磨しており、私自身もどのようなゼミに成長していくのか今後が楽しみです。

 山嵜ゼミの卒業生は、証券、銀行などの金融業界はもちろんのこと、様々な企業に就職しています。もちろん、現役ゼミ生は金融業界を志望する者が多いのですが、金融以外の業界を志望する者もおり、志望業種は多岐にわたっています。山嵜ゼミで学んでいるファイナンスは、どのような職種に就こうが、どの業界に行こうが、現代のビジネスには欠かせない学問なので、ゼミで学んだことを実社会で活かせるようにゼミ生一同で勉学に励みたいです。

2017年度ゼミ長 星 眞生

  • 山嵜先生

    山嵜先生

  • 授業風景

    授業風景

  • 2016年度ゼミ卒業生

    2016年度ゼミ卒業生

  • 2017年度山嵜ゼミ生

    2017年度山嵜ゼミ生

  • ボーリング大会

    ボーリング大会

第19回 北田ゼミの紹介

 北田ゼミは2016年度で5年目の新しいゼミです。担当は北田皓嗣先生で、主にCSRを扱っています。CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略で、企業の社会的責任と訳されます。環境、社会問題が叫ばれる今、企業は経済、社会、環境の3つのバランスを取らなければなりません。例えば自動車企業は、車の売り上げ(経済)のみでなく、廃棄ガス(環境)や騒音被害(社会)のことも配慮する必要があります。利益をあげながら自然と共存しつつ、社会問題を解決する。このような経営のあり方を日々学んでいます

 北田ゼミでは、春学期は、先生が講義をしてくださるとともに、グループディスカッションやプレゼンテーションも随時行っています。このインプットとアウトプットは、知識を自分達のものとして蓄積するのに、大いに役立てられています。秋学期はそれぞれの興味で、グループに分かれ、各自のテーマに沿って研究を進めます。2015年度は、社会企業家らに対してインタビューを行ったグループもあります

 通常の授業以外にも、北田ゼミには多くのイベントがあります。例えば、他大学との合同ゼミです。2015年度は秋学期に、関西大学、日本大学,広島経済大学、名城大学を法政大学に招いて、秋学期に分かれた各グループの研究内容について発表を行いました。この合同ゼミを通じて、互いに刺激を受けるいい機会になっています。同じCSRについて研究している他大学との知識共有は特に有意義で、蓄積された知識がより洗練されていくのを感じることができます。

 加えて、一大イベントとして欠かせないものが、ゼミ合宿です。北田ゼミは2年に1度、海外でゼミ合宿を行います。2015年度はCSR先進国であるスイスのジュネーブを視察しました。国連や現地の投資機関への訪問や、国際学会への参加などを通じ、知見を深めました。

 国際学会では、「持続可能性に関するパフォーマンス測定のリサーチや実務の共有」をテーマにセッションが開かれ、世界中の実務家や研究者とともに意見交換を行いました。

 北田先生もマテリアルフローコスト会計に関しての研究結果を発表しました。マテリアルフローコスト会計とは、資源やエネルギーのロスに着目した省資源や省エネにつながるコスト評価のひとつです。この評価手法は環境会計という分野に当てはまり、北田先生の専門分野でもあります。

 その他にも、国連ILOや世界経済フォーラム、また赤十字といった機関の方々への訪問や、社会環境面などにおいて優秀な企業へ投資を行う責任投資機関への訪問なども行いました。

 これまでの北田ゼミを形作ってきたOB・OGの方々に感謝し、卒業後のOB・OG会などで北田ゼミに入ってよかったと思えるようなゼミであり続けられるよう、現役生一同、これからも精進してまいります。

文責: 菅原 祥、太田隆二

  • 北田ゼミ1

    北田ゼミ1

  • 北田ゼミ2

    北田ゼミ2

  • 北田ゼミ3

    北田ゼミ3

  • 北田ゼミ4

    北田ゼミ4

第18回 奥西好夫ゼミの紹介

 奥西ゼミは1996年4月にスタートしたので、今年(2016年)でちょうど20周年になります。せっかく寄稿の機会を頂いたので、簡単に20年間の歩みを振り返ってみたいと思います。

<1990年代後半>
 私が法政大学経営学部に着任したのは1995年9月、バブルも経験せず6年ぶりに戻った日本、しかも日本の大学で教えるのは初めてとあって、何かと戸惑うことの多い教員生活が始まりました。ゼミ生の募集は入ゼミの前年度秋に行われるとは知らず、募集活動をしたのは他のゼミの選考が全て終わった後、やんちゃそうな男子学生12名が1期生となりました(中には応援団の団長も)。

 このころはテキストとして、スティグリッツ『ミクロ経済学』、ラジアー『人事と組織の経済学』などの分厚い教科書を、分担を決めて報告してもらったり、練習問題を解いてもらったりしていました。こういう「しんどい」ことは学生のうちでないとできないと思ったからですが、経営学部生にはあまり面白くないゼミだったかもしれません。でも、多くのゼミ生は熱心に勉強してくれました。特に、ある女子学生がテキストの翻訳の誤りに気づいて指摘してくれたのは嬉しかったです。


<2000年代>
 女子学生が初めて当ゼミに入ったのはゼミ発足3年目で2名、その後、5名、7名、・・・と増え、2000年以降は男女ほぼ半々という比率が定着しました。特に2001年度のゼミ長M君がリーダーシップのあるイケメン(?)だったせいか、そのころから多くの女子学生が志望するようになりました。女子学生が増えてから、男子学生が俄然やる気を出すようになったのは見ていておかしかったです。

 テキストは英文の人事に関するものを使うようになりました。例えば、Harvard Business Essentials - Hiring and Keeping the Best Peopleなどです。やはり経営学部生には、経済学より人事など経営分野の素材の方が興味が湧くようです。この時期は私もまだ若く、ゼミ生とよく飲んだりカラオケに行ったりしました。今でも一緒に飲んだりするのはこの時期の学生が最も多いです。


<2010年代>
 2008年から2010年までの2年間、大学からスイス、フランスへ在外研究の機会を頂き、この間は社会人大学院の教え子で法政OBの田中真樹氏に代講をお願いしました。私も春・夏のゼミ合宿には一時帰国して参加しましたが、直接接する時間が少なかったのは、ゼミ生に申し訳なかったと思っています。帰国後は、ゼミの雰囲気が少し変わったように感じましたが、私とゼミ生の年齢差が大きくなったことが一因かもしれません(笑)。30代後半から50代後半になっていましたから。

 ゼミの題材は、英文で書かれたケースを学生に報告してもらい、それをもとに全員で議論し、結論を出すというスタイルが定着しました。現在使っているケース集は、Stella M. Nkomo et al. Human Resource Applications: Cases, Exercises, Incidents, and Skill Builders (South-Western, 2011) です。毎回の報告者の感想はゼミのFacebookに載っているので、興味のある方はご覧下さい。
→ https://www.facebook.com/okunishisemi

 20年間というとそれなりの期間ですが、今、振り返るとあっと言う間だったような気もします。もちろん、実際には、いろんなゼミ生がいて、いろんなことがあり、私自身、いろんなことを学び、何度も元気をもらいました。「よき師よき友つどひ結べり」 -- 私には「よき師」との自負はとてもありませんが、これからも、縁あって一緒になった学生たちに少しでも「よき師」たらんと努力したいと思っています。

(2016年6月29日、奥西好夫記)

  • 2002年8月 三浦海岸で

    2002年8月 三浦海岸で

  • 2003年2月 三浦海岸で

    2003年2月_ 三浦海岸で

  • 2004年6月 ゼミ教室で

    2004年6月 ゼミ教室で

  • 2005年12月 ゼミ忘年会で

    2005年12月 ゼミ忘年会で

  • 2015年9月 伊豆・熱川で

    2015年9月 伊豆・熱川で

  • 2016年6月 ゼミ教室で

    2016年6月 ゼミ教室で

第17回 宮澤ゼミの紹介

 本ゼミは,ミクロ経済学(特にゲーム理論)の応用をテーマにしている,開講3年目の新しいゼミで,今春,第一期生が卒業していきました。まず,彼らの活動を中心に紹介します。

 初年度の春学期にはゲーム理論の入門的なテキストを輪読し,打ち上げの席で,秋学期に扱うテーマについて話し合いました。その際,ゲーム理論の一分野であるマッチング理論について,結婚マッチングを例に説明すると,「それって,『あいのり』みたいな話?」と喰いついてきました。マッチング理論は,その前年のノーベル経済学賞の授賞対象となるなど,理論的にも実践的にも非常に注目されている分野の一つですが,学生たちにとっては,自分たちにとって身近で関心のあるテーマに関わっているということが重要だったようです。

 結婚マッチングと『あいのり』は研究対象として扱いにくいという結論になりましたが,代わりに,他の身近なマッチング問題である入ゼミのルールを考えてみることになりました。マッチング理論では,(一定の状況下で,)両当事者の選好順位についての情報を集計し,あるアルゴリズムで処理すると,望ましい特徴を持つマッチング結果を実現できるということが知られています。学生たちは,関連する研究結果を参照し,また,ゼミ側が応募者を選考する上での時間的な制約などを考慮に入れて,経営学部の入ゼミルールをどのようにしたら良いかについて具体的に検討しました。その成果は,私の教授会での提案を通じて,今年度からの新しい入ゼミのルールに反映されました。

 彼らの指導を通じて,学生たちの興味・関心を見定めることの有効性を実感しました。彼らの中には,大学での勉強に目覚めて,他大の大学院に進学した者もいました。その他の学生の進路は様々ですが,自分で興味を持ったことを突き詰めて検討したゼミでの経験は,今後の人生において大いに役立つのではないかと思います。今在籍している学生はもちろんのこと,今後入ってくる学生にも,興味を持ったテーマについて突き詰めて検討するという経験を積んでもらえたらと思います。

 今年度からは,日経TEST(11月実施)の学生団体対抗戦に参加することにし,それに向けて,夏合宿で『経済財政白書』を輪読しました。結果はまだわかりませんが,おそらく,勉強不足を痛感することと思います。しかし,そういった結果も,来年度以降の活動への教訓として活かされることと思います。

 まだまだ試行錯誤で活動しているところではありますが,学生が主体的に勉強するような良い伝統を築き上げていきたいと考えています。

  • 宮澤先生

    宮澤先生

  • ゼミでの学習風景

    ゼミでの学習風景

  • ゼミ室での集合写真

    ゼミ室での集合写真

  • ゼミ合宿の懇親会

    ゼミ合宿の懇親会

  • OB会にて

    OB会にて

  • 一期生の学位授与式にて

    一期生の学位授与式にて

第16回 木村ゼミの紹介

2015年度ゼミ長 石田 星斗

 木村純子ゼミナールは農産物・農産加工品を活かした地域活性化を中心としたマーケティングを勉強しています。企業や自治体からいただいた課題をもとに、半年または1年間をかけてプロジェクトに取り組みます。

今年10周年を迎えた木村ゼミの特徴として、「頭を使え、汗をかけ、愛を知れ」という先生の掲げるモットーが挙げられます。自分から何かを提案をするときは、論理的に考え(=頭を使え)、自分の足を使って物事を調べ(=汗をかけ)、プロジェクトで取り扱う商品やサービスを自分自身が惚れ込んでから人に薦める(=愛を知れ)という意識を持ちながら、私たちは日々ゼミ活動に取り組んでいます。

【木村ゼミFacebookページ https://www.facebook.com/kimurajunkoseminar
【木村ゼミホームページ http://kimuraseminar.qee.jp

最近の活動として、2015年度春学期は千葉県の君津市の君津市役所観光課の皆さまと合同で「君津市観光振興プロジェクト」を行いました。4つのチームが「君津市の観光入込客数を年4%増加させる」を目標に企画提案を行いました。

特産品など「君津=△△△」という君津市に直結したイメージがなかったので、そのイメージをどう払拭するかが難しい点でした。観光産業では、特産品などを利用して客を呼び込む ハード面を考えることも大切ですが、人の温かさを感じてもらえるようなソフト面を考えることも大切であることと学びました。

2015年秋学期は帯広畜産大学の平田昌弘研究室との合同プロジェクトが始まります。北海道十勝市のラクレットチーズ「十勝モールウォッシュ」の戦略的マーケティングの立案を行います。1年を費やして本プロジェクトに取り組む予定ですので、春学期で学んだ経験と知識を活かして、ご満足いただける建設的ご提案ができるよう努めて参ります。

木村ゼミは11年目を迎えることができました。OB・OGの皆様には感謝申し上げます。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

  • 木村純子先生

    木村純子先生

  • ゼミ生の日常写真

    ゼミ生の日常写真

  • ボアソナードタワー庭園にて

    ボアソナードタワー庭園にて

  • 君津市観光振興プロジェクト中間報告会

    君津市観光振興プロジェクト中間報告会

  • 君津市観光振興プロジェクト最終報告会

    君津市観光振興プロジェクト最終報告会

2015年10月開催十勝ゼミ合宿

  • 工房の熟成庫

    工房の熟成庫

  • とろーり、アツアツのラクレットチーズ

    とろーり、アツアツのラクレットチーズ

  • 懇親会でとろけるラクレット

    懇親会でとろけるラクレット

第15回 福田ゼミの紹介

 私は今、筑波のホテルでこの文章を書いています。今日(9月10日)から1泊2日の予定で、ゼミ生と筑波に合宿にきています。毎年、私のゼミでは、この時期にゼミ合宿を行います。秋学期が始まる直前でもあり、ゼミのみんながそろそろ勉強モードに入るため、また帰省や旅行などに行っていた人たちもこの時期だと東京に戻ってきていることが大きな理由です。ただし、今年は就職活動の影響で、4年生の参加が思ったよりも少なくなってしまいました。

 今日はホテルに来る前に、みんなで茨城県にある清涼飲料水の工場に見学に行ってきました。ゼミ合宿の2日のうち1日は、工場見学を行うことにしています。私たちのゼミでは、管理会計論を中心に学習・研究を行っています。春学期は、テキストを輪読しています。毎週、担当者またはそのグループが一つのテーマについて、テキストや論文に基づいて自分なりに調べてきたことを報告し、議論します。新聞や経済関係の雑誌などを検索し、報告テーマに近い記事があればそれを添付し、議論することで、できるだけ実務との関連性も感じてもらえるように工夫しています。しかし、管理会計のテキストで扱うテーマと関連した実務に、ゼミ生が直接触れる機会は多くありません。企業の製造工程を見学させることで、教科書で話している内容の少しでもイメージできればと思い、毎年工場見学を行っています。工場見学の場所は、毎年ゼミ生、特に合宿担当の係のゼミ生を中心に決定し、申し込みを行います。やはり,みんなにとって身近な清涼飲料水やビール、またお菓子など飲食に関連する工場が多いのが特徴です。今回の清涼飲料水の工場では、ペットボトルに清涼飲料水をつめ、ラベルを貼る工程を見学してきました。残念ながら、稼働していた機械は少なかったです。

 この合宿のもう一つのメインがゼミ生による報告です。本日と明日を含め、5時間ほど予定されています。私のゼミでは毎年12月に、他大学で管理会計を学習しているゼミと、共同での報告会を開催しています。もう、20年近く続いています。今年も12月の中旬に、私たちのゼミの他に、早稲田大学、慶応大学、横浜市立大学に所属する合計7ゼミが集まり、報告会を行います。この報告会に向けての第1回目の検討会がこのゼミ合宿の最中に開かれます。春学期の最後の講義のときに報告会のテーマの候補を選び、ゼミ生は夏休み中に時間を見つけ、みんなで今日のために準備をしてきます。今回の報告は、12月に今のテーマで報告ができそうか、また具体的にどういった論点に絞ってこれから学習・研究を進めていくかを決めるのが大きな目的です。

 昨年は、東京都に所在する中小企業200社にアンケート調査を行い、中小企業がどのような投資意思決定のための手法を利用しているかを調べました。また別のグループでは大学の書籍部や知り合いのバンドに協力をしていただき、学習した管理会計技法の実務への導入を試みました。春学期に教科書を輪読し、そこからゼミ生なりのテーマを見つけ、それを自分たちの力で調べるのがこの報告の目的です。

 今年も自分たちで調査できる内容のテーマをゼミ生が選んでいます。質問票調査であったり、自分のアルバイト先へのインタビュー調査であったり、財務情報を利用した分析であったりと、手法は様々です。できるだけ、学生に自由に調べさせ、報告を行ってもらっては、コメントを出し、次の発表までにそれについてグループで問題を解決してもらいます。報告は3年生が中心ですが、4年生も卒業論文のテーマについての研究の傍ら、3年生の報告にコメントをくれます。実際に去年苦労した4年生ならでわのコメントは3年生にも役立つようです。また、なかには4年生の先輩に分析の方法などを教えてもらうこともあり、ゼミのなかで良い意味での先輩・後輩関係が出来上がってくることもあります。

 4年生は卒業論文の作成が主なゼミ活動となります。1年間の勉強を踏まえ、また将来の自分の仕事などを勘案して、会計学に関連するテーマを選択し、順番に報告を行っていきます。この合宿でも2人の4年生が報告をすることになっています。報告に対して、私ももちろんコメントしますし、4年生同士、また3年生からも質問があります。これらの質問やコメントに基づいて、次の回にまた報告をします。1月末が締め切りですが、毎年、ほとんどのゼミ生がぎりぎりまで、卒業論文を書き直し、提出をしています。卒業論文はゼミ生が3年生だったときの先輩の卒業論文、また4年生になった自分たちの仲間の卒業論文を法政大学のロゴの入ったUSBに入れ、大学のそしてゼミの思い出という意味も含め卒業してもらいます。

 「あのときの勉強が、今になって役立ったね」と将来ゼミのみんなが思ってくれるようなゼミになればと思っています。

  • 福田ゼミ
  • 福田ゼミの様子
  • 福田ゼミの様子
  • 福田ゼミの様子

第14回 安藤ゼミの紹介

 安藤ゼミは、国際企業戦略を大きなテーマとしています。日本企業の海外進出、とくにアジアへの進出を中心に学習しています。ゼミでは、調べることではなく、考えることと議論することを活動の中心に据えています。たとえば、日本企業がどのような場合に中国からベトナムに生産拠点を移転するのか、ということを調べるだけでなく、自分が企業のマネージャーだったら中国にとどまるのか、あるいはベトナムに移転するのか、ということを考えてもらいます。グループに分かれて自分たちなりの答えを提案してもらいますので、考え、議論するというプロセスが必要になります。もちろん正解はありませんので、自分たちが考えたことにいかに説得力を持たせるか、ということが重要になります。国際企業戦略に関する理論だけを習得するのではなく、ディスカッションやプレゼンテーションのスキルも向上してもらおうと思っています。

 毎年、というわけにはいきませんが、ゼミ合宿は海外で行ってきました。海外での合宿の中では、現地の企業を訪問したり、現地のマネージャーと話をする機会を設けてきました。短期間ではあっても、実際に外国に行き、外国を見て何かを感じることが、国際企業戦略を学ぶうえで役立つだろうと思っています。
 昨年は、香港でゼミ合宿を行いましたが、そこで見たことをもとに、ゼミの中で香港でのビジネスプランを立ててもらいました。さらに、香港の大学の先生に教室に来てもらい、ビジネスプランを英語でプレゼンテーションしました。海外から人を呼ぶのは簡単ではありませんので、毎年行うことは難しいかもしれませんが、英語でプレゼンテーションする機会も、今後設けていきたいと思っています。

 ゼミを運営する上で私が心がけているのは、どうすれば最終的なゴールに到達できるのかをゼミ生に自ら考えてもらうということです。課題は私が与えますが、どうすれば課題に対する自分たちなりの答えを出せるのか、というプロセスの部分はゼミ生に考えてもらっています。最終的な到達目標を与え、さらに、それにいたるプロセスまで与えると、ゼミ生が行うことは、やり方にそって作業を進めていく、ということになります。プラモデルを組み立てるのと同じで、あまり考えなくても、目標に到達できてしまいます。やり方は自分で考えるように、という私の言葉に、はじめは戸惑うようです。ですが、設定された目標にいたる方法を自分で模索することは、グローバライゼーションが進む中、他の国のライバルたちと競争していくうえで必要なスキルだろうと思っています。

  • 安藤ゼミ
  • 安藤ゼミの様子
  • 安藤ゼミの様子
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第13回 田路ゼミの紹介

2014年度ゼミ長 武弓耕太

 田路ゼミはベンチャー企業論・起業家精神をテーマに日々ゼミ活動を行っています。起業をするにはマーケティングや会計など、経営学すべての分野の知識が必要です。私たちはそれらを学ぶことで経営学の全体像を掴み、就職後にも役に立つ知識を得ることができます。さらに田路ゼミでは知識をアウトプットする機会を多くつくることでより実践的な力が身につけられます。今回は日々のゼミでの活動内容についてご紹介させていただきます。

 【田路ゼミFacebookページ】https://www.facebook.com/tajiseminar

 田路ゼミの活動内容は大きく授業内と授業外の二つに分けることができます。
 授業内では主にケーススタディや英語プレゼンなどを行っています。田路教授のご指導のもと、ベンチャーから大企業まで幅広くケースを分析し、ディスカッションをします。また田路教授の解説により更に理解を深めることができます。
 英語プレゼンはプレゼン能力の向上、グローバルな人材になることを目指し行っています。ゼミ内には留学経験がある者が多くゼミ生同士刺激をしあい良い環境を作り出しています。

授業外ではゼミ合宿やビジネスプランコンテストの出場などを行っています。2013年9月には青森へ出向き東北大学と合同ゼミ合宿を行いました。「星野リゾート 青森屋」を舞台にチームに分かれ青森屋のテーマに沿ったビジネスモデルを作成し、旅館の方々に発表させて頂きました。他大学のゼミとのコラボレーションにより、視野を広げるより良い機会になりました。

 ビジネスプランコンテストへは毎年出場しており、田路ゼミを代表する活動です。ビジネスプランコンテストとは、新規事業のビジネスアイデアをゼロから考え、実際にビジネスとして通用するプランに仕上げたものを競い合うコンテストです。ゼミ生全員がグループに分かれてこれに参加し経験を積むことで、事業の精査を行い、起業に役に立つ能力がつきます。2013年度は大きな実績を残すことができました。(キャンパスベンチャーグランプリ東京大会優勝、Start Up Weekend世界大会進出)

 【上記2大会記事】http://www.hosei.ac.jp/keiei/NEWS/topics/131211-1.html
http://www.hosei.ac.jp/keiei/NEWS/topics/131211-2.html

 私たち田路ゼミは今年で8年目を迎えます。これからも田路教授のもと、多くの学びを通じ日々精進していきます。

  • 田路ゼミの様子
  • 田路ゼミの様子
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第12回 長岡ゼミの紹介

2013年度ゼミ長 中江真子

 長岡ゼミは、「創造的なコラボレーションのデザイン」というテーマで活動しています。

 このテーマを聞いて、「経営学部っぽくないテーマだな」と違和感を覚える方が少なくないかもしれません。実は私自身も、ゼミに入ったばかりの頃はそう感じていました。「既成概念にとらわれてはいけない。ゼミのテーマにもその姿勢を込めている。」という長岡教授のお話を頭の中では理解しつつも、友人たちから「変わったテーマだね」と言われると、「長岡ゼミのテーマも、◯◯論や◯◯学と表現できた方がいいのに・・・」と思ったこともありました。

 でも、この2年間、長岡ゼミの特徴である「フィールドでの参加体験型活動」や「アウトプット志向のプロジェクト学習」に取り組んでいるうちに、「創造的なコラボレーションのデザイン」という経営学部っぽくない表現方法が、私たちのスタイルにはぴったりだと思うようになりました。

 【長岡ゼミのサイト】http://www.tnlab.net

 2011年4月の入ゼミ以来、長岡教授の指導のもと、「ワークショップの企画/運営」、「実験的ドキュメンタリーの制作」、「対話型イベントの企画/運営」といった多くのプロジェクト活動を経験してきました。というより、〈ゼミ=実践活動〉というのが、正直な印象です。そして特に、私にとって強く印象にのこっているのは、学外の活動を積極的に行ってきたことです。長岡ゼミが取り組むほとんどのプロジェクト活動には、他大学の学生や社会人の方々が参加していますし、場所についても、教室やキャンパスから飛び出していくことが頻繁にあります。つまり、様々な人々と、様々な場でのコラボレーションを実体験し、その中でいかに創造性を発揮するかを実践的に学ぶことが、長岡ゼミのスタイルです。

 そんな中、現在最も積極的に取り組んでいるのが「カフェゼミ」という新しいスタイルの「対話型学習イベントの企画/運営」です。「カフェゼミ」は、毎月1回、市ヶ谷キャンパスの近くにあるカフェの一角を使って、開催しています。様々な大学の学生に加え、社会人の方々も参加しているオープンゼミのような場ですが、洒落たインテリアに囲まれ、素敵なカップで提供されるコーヒーと美味しいケーキを前にすると、それだけでウキウキし、初対面の参加者同士でも対話がはずみます。自由でリラックスできるカフェの雰囲気をうまく活かし、様々な大学の学生が学び合う新たな学びの場の可能性、更には、学生と社会人の境界線をなくし、自由で創造的なコラボレーションを生み出す場の可能性を探索していきたいと思います。

 【カフェセゼミ】http://www.facebook.com/pages/カフェゼミ/384043185037019

 長岡ゼミが始まったのは2011年4月で、今年の3月に最初の卒業生を送り出したばかりです。まだまだ経験不足で、学ぶべきことが山積みのゼミではありますが、フットワークとネットワークを駆使しながら、「創造的なコラボレーションのデザイン」にチャレンジしていきたいと思います。

  • 長岡ゼミの様子
  • 長岡ゼミの様子
  • 長岡ゼミの様子
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第11回 西川英彦ゼミの紹介

第8期ゼミ長 蝶名林みどり・小石謙太

 西川ゼミは、法政大学において今年で開講4年目を迎え、今までの良い伝統を守りつつ、新たなことに取り組んでおります。そのような西川ゼミを現役生の視点から紹介させて頂きます。

 西川ゼミのテーマは、「楽しい」をカタチにする実践的マーケティングです。日々の授業では、マーケティングの課題図書や論文、マーケティングの新聞『日経MJ』の事例発表に取り組み、学生同士が活発に議論を交わしています。

 とりわけ西川ゼミの大きな魅力は、次の2点につきます。1点目は、商品企画を実践できることです。その代表例は、大学横断の商品企画プロジェクトであるSカレ(Student Innovation College)に参加することです。そもそも、このSカレは、西川教授が就活に役立つようにと考案されたもので、今年は全国28大学、32ゼミ、428名がそれぞれチームを組み、調査から企画までを行います。ネスレ日本やマイナビなどの協力企業があり、成功すれば実際に商品化されるため、学生にとっては実践的なマーケティングを経験できる貴重な機会となっております。

 他にも、企業からの課題に対して商品を考案するワークショップや、ビジネスコンペにも取り組み、昨年度は無印良品に「文房具」について商品提案をさせて頂きました。

 2点目は、企業の方や社会人の方との交流が数多くあることです。法政大学における西川ゼミは2010年に始まりましたが、法政大学のOB・OGの先輩方だけではなく、西川教授の前任校である立命館大学のゼミOB・OGの先輩方(第1期から5期生)とも大学間を越えて交流があり、様々なアドバイスをしてくださいます。

 さらに西川教授の豊富な人脈により調査研究による企業訪問をはじめ、海外夏合宿での現地駐在員の方とのワークショップや、社会人向けセミナーの参加等の多彩な機会に参加させて頂いております。先日は、熊本県庁の方にお越しいただき、人気ご当地キャラクター「くまモン」のマーケティング戦略について、お話しを伺う機会もありました。

 このようにマーケティングを中心として、西川ゼミ一同、様々な「楽しい」をカタチにしています。この機会をお借りしまして、皆様方のご協力に感謝申し上げますとともに、今後もご指導、ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

※西川ゼミfacebookページで日々の活動をご覧いただけます。ぜひ、「いいね!」をして応援をお願いします。
http://www.facebook.com/nishikawasemi

  • 西川英彦ゼミの様子
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第10回 金瑢晋ゼミの紹介

金瑢晋(担当科目:企業財務論)

 金ゼミは2003年度に発足しました。私は、学部では企業財務論を、大学院では基礎ファイナンスと財務戦略論を担当しています。経営学部に着任してから十年余りになりますが、この間、ゼミ生のカラーもすこし変わってきたような気がします。私の加齢による感覚変化のせいなのか、時代の流れの影響なのか分かりませんが、最近は、控えめで大人しい学生が増えてきたように感じます。以前は、ゼミ長選出の際に複数の候補者が競争する時もあったのですが、ゼミ長を含む今年度の執行部はジャンケンで決まりました。然れどもゼミ生みんなが協力し合いゼミ運営を円滑に行っており、責任感と協調性が見て取れます。

 ゼミでは、学生の要望と私の教育方針を融合しながら、年毎テーマに少しずつ変化を取り入れてきました。今まで取り扱ってきたテーマは、ポートフォリオ理論を含む証券投資論、デリバティブの価格評価、企業の財務行動、金融・財務データの分析等といった内容でした。今年度は、前半に証券アナリストのための高校レベルの数学をおさらいし、企業価値と株式の評価について勉強しています。企業価値の評価については単に理論的なアプローチに留まらず、実際ゼミ生が興味のある上場企業を選び、入手可能な情報に基づいて、アナリストの立場になって評価を行うようにしています。ゼミは、基本的に学生からの報告、学生同士のディスカッション、私からの補足とまとめで成り立っています。また、テーマによっては、私の方から先に講義を行う時もあります。

 ゼミでは、「他の人の書いたレポートなどを批判的に読む力」を培うことを大切にしています。ファイナンス分野では、企業や投資家が同じ理論に基づいて意思決定問題を分析するにもかかわらず、インプット値の恣意的な選択により意思決定問題の解釈が異なる場合があります。学生が著者と異なる視点や前提から意思決定問題を再検討してみることは、その問題を総合的に理解する上で大いに役立つと思います。ゼミではこのような学習態度をしきりに促しています。

 決まったテーマを学習する以外に、毎年欠かさず東京証券取引所を見学し、模擬トレーディング及び東証主催のセミナーに参加しています。資本市場の象徴とも言える証券取引所への訪問はファイナンスゼミにとって心待ちにする恒例行事になっています。もう一つの行事は、ゼミ生が日ごろ興味を持っていた金融・財務に関わるテーマを一つ選び、調査・分析を行った上でプレゼンテーションを行うことです。このプレゼンテーションは、学生にとって通常の報告と一味違う緊張感と達成感を覚える機会になると思います。

 ゼミ生の就職先は金融・証券・保険業をはじめ、建設、不動産、情報・通信、流通、公務など多岐にわたっています。卒業生から時々近況報告を頂くことは些細な喜びであります。

  • 金瑢晋ゼミの様子
  • 金瑢晋ゼミの様子

第9回 佐野嘉秀ゼミの紹介

佐野嘉秀(担当科目:人的資源管理)

 わたしが法政大学経営学部に着任したのは2008年4月ですから、2013年度で6年目となります。前職は東京大学社会科学研究所という研究機関ということもあり、学部でゼミを担当するのは、法政大学経営学部が初めてでした。手探りのなか、学生の意見をききながら、法政大学経営学部で勉強してよかったと学生に思ってもらえるようなゼミ運営を目指しています。

 わたしの担当する講義は「人的資源管理」なので、ゼミでも人材マネジメントに関わることを勉強しています。実務経験からOB・OGの皆様には共感してもらえると思いますが、人材マネジメントに唯一の正解はありません。企業・組織を取り巻く市場環境や経営戦略、働く人の意識、その背後にある社会規範や価値観などが異なれば、適切な人材マネジメントのあり方も異なるはずです。そうしたなかでは、人材マネジメントに関する様々な理論や考え方を広く知り、それらを踏まえて、実務の場面でそれぞれが直面する個別的な状況に対応した適切な人材マネジメントを判断する力が求められます。わたしのゼミでは、学生にそうした柔軟な思考力を身につけてもらいたいと考えています。
 ゼミでの学習方法はオーソドックスなものです。人材マネジメントに関わる文献を読み、グループで論点を整理し、ディスカッションのなかで文献の主張を批判的に検討します。文献をつうじ人材マネジメントの理論や考え方を知り、ディスカッションをつうじて他の人の意見を取り入れつつ判断する力を磨きます。その積み重ねが人材マネジメントの実践の場面でも役立つ力を養うと考えます。

 文献としては、テイラーやドラッカー、フォレットのような古典のほか、近年の文献のなかから、あえて互いに矛盾するような主張が含まれる複数の文献を選んでいます。例えば、『ウォー・フォー・タレント』という本と『隠れた人材価値』という本を合わせて読みました。前者は、アメリカのコンサルタントグループが執筆した文献で、企業が高業績をあえるうえで、適切な採用手法と処遇をつうじ「優秀」な人材をいかに採用し定着させるかを説いています。これに対し後者は、アメリカにおけるいくつかの企業の実例を引用しつつ、決して「優秀」とは言えない人材だけでも、適切な人材マネジメントにより高業績を達成できることを示しています。どちらもそれぞれ説得的ですが、人材についての見方は根本的に異なります。どちらかだけが正しいとも言えません。学生には、人材マネジメントに関するこうした様々な考え方について、文献の丁寧な読み込みとディスカッションをつうじ理解を深めてもらいます。そのなかで、人材マネジメントについての基本的な価値観を築くきっかけを得てほしいとも思います。ちなみにゼミ生の多くは、人材育成を重視する後者の文献の主張のほうにより大きく共感したようです。
 ゼミでは、こうした文献講読のほか、グループごとにそれぞれの関心に応じたテーマを選び、関連する情報を調べ、発表する機会も設けています。テーマの例を挙げると「若年者を定着と人材育成」「女性の管理職登用」「学力と採用との関係」「定年後再雇用者の活用」などでした。このほか、人事担当者や職場管理者などとして活躍される方々をお呼びして、具体的な人材マネジメントの課題を教えてもらったりもしています。
 ゼミ生の卒業後の進路は、製造業、流通業、サービス業、金融業、公務員など様々な分野にわたります。人材マネジメントは、いずれの業界の企業・組織で働いていても所属部署や立場を問わず必要とされます。ですから、人材マネジメントの知識や考え方は、卒業後にどのようなキャリアを選んだとしても、きっと役立つはずです。まだ若いゼミなので、卒業した皆さんのこれからの活躍を大いに期待しているところです。そうしたなか、ゼミのOB・OGと現役生とのあいだのつながりができ始めたことは、大変うれしい出来事です。

  • 佐野嘉秀
  • 佐野嘉秀ゼミの様子
  • 佐野嘉秀ゼミの様子

第8回 岸ゼミの紹介

岸 眞理子(担当科目:経営情報論)

私は大学院修了とともに法政大学に赴任し、以来、今日までゼミの指導にあたってきました。数えてみればゼミのOB・OGは200名を超えています。

私の研究領域は「組織と情報」に関するものですので、ゼミでも、毎年、これに関連した具体的テーマを設定し、そのテーマについて深く学んでいくことにしています。今年度のゼミのテーマは「ナレッジ・マネジネント」でした。知識の時代が強調される21世紀、知識の活用は企業組織の目的でもあり機能でもあります。ICT(情報通信技術)の活用が当たり前となった今日、ICTの活用を前提としたうえで、知識の組織的な活用能力の向上が企業にとってますます重要な課題となっています。

そもそも岸ゼミで力を入れていることは、知識のインプットとアウトプットです。知識のインプットのために、まず、ゼミで使う教科書以外にも、何冊かの補足教材を各自読みこむことで、基礎的な専門知識を身につけるよう指導しています。また、このような知識をベースに企業の実際について学ぶために、データベースを活用して具体的な企業事例を調べること、ゼミに社会人のゲスト・スピーカーを招くこと、企業訪問の機会を設けることなど、さまざまな機会を通じて生きた知識のインプットができるように努めています。
知識のアウトプットのためには、まず、インプットした知識を活かし、自分なりに消化してアウトプットする方法から学んでいきます。発表らしい発表やディスカッションを行えるように発表や議論の方法について学習し、これを毎回のゼミで実践していきます。また、レポートの提出を通じて論理的に書くことも勉強するように心がけています。ゼミでの勉強の集大成である卒業論文の指導は、時間をかけて丁寧に行っています。

ゼミでの学習は、ゼミという組織のナレッジ・マネジネントの実践そのものとしても機能しています。個人で得た知識をゼミにいかに伝達し、ゼミでいかに共有し、ゼミの知識としていくか、単に言葉にできるもの以外にもゼミという場に共有される目に見えない知識をどのように活かしていくか、まさに「モノ」から「コト」への変換の重要性を学んでいるといえます。

ゼミのOB・OGは、ゼミでの勉強を活かして、IT業界はもちろん、マスコミ、シンクタンク、大手メーカー、大手建設会社、金融機関、官公庁をはじめ幅広い分野でそれぞれ活躍しています。OB・OGがこのネットワークを相互に活かせるよう、また現役生が社会進出へのアドバイスを得られる機会とするよう、ゼミOB・OG会の実施をほぼ毎年行っています。今後もこのネットワークは大切にしていきたいと思っています。

  • 岸ゼミの様子
  • 岸ゼミの様子

第7回 金容度ゼミの紹介

金容度(担当科目:日本経営論)

私は2002年4月に法政大学経営学部に着任しまして、その約2ヶ月前に急逝された故橋本寿朗先生のゼミを受け継ぐ形でゼミ担当を始めました。

私が学部で担当する講義は日本経営論ですが、ゼミ授業では、日本企業だけでなく、アメリカ、韓国、中国の企業の中で毎週1つの事例を取上げ、ゼミ生にテキストを読ませ、ゼミ生全員に論点を出させ、それらの論点に基づいてディスカッションを行います。例えば、各社の成長の歴史・現状に現われる特徴は何か、成長要因は何か、また、今直面している、あるいは近い将来に直面すると予想される課題は何か、それに対応してどのような経営戦略が必要なのかなどについて、ゼミ生と対話しながら、議論を深めます。こうした毎週の授業内容から何を学んだかをゼミ生に書かせて、翌週の授業の課題として提出してもらいます。年1回~2回は、企業で働く方をゲストとして呼んで、話しを聞いた上で質疑応答を行う機会も設けています。

夏と春の年2回の合宿授業では、普段のゼミ授業では取上げない、経営史の文献を読んで議論する場合もありますし、グループを分けて、日本の同業企業間の比較、日本企業と海外企業間の比較を行う場合もあります。4年生には卒業論文の作成を課しておりまして、提出された卒業論文を製本して、1年後の春合宿の際、新しくゼミに入ってくる学生にそれを読ませて、最も関心のある論文を一つ選ばせ、それについて感じたことを報告させたりもします。

最初の数年間(2003年~2007年)には毎年の2月か3月の数日間、ゼミ4年生を連れて韓国を訪問して、サムスン電子など韓国の大手企業やその工場を見学したり、産業・歴史遺跡地、韓国の文化を紹介する施設などを見学しました。

私がハーバード大学の客員研究員として2年間アメリカボストンに滞在した、2009年4月~2011年3月の2年間を除く、ゼミOB会も毎年欠かさず行っています。ゼミの卒業生は、金融機関、製造メーカー、サービス業、通信企業、流通企業、放送局、公的部門、など多様な分野に進出しています。少数ではありますが、自ら創業している企業家もいます。最近現役ゼミ生の就職状況がやや厳しくなったこともあり、OB会は、多様な分野に進出しているゼミOBが現役生の社会進出についてアドバイスを行うという意味も強くなっています。

私は、法政大学体育会少林寺拳法部の部長を約6年間務めていますが、同部のOB間、OBと現役部員間の仲間意識の良さを強く感じています。私のゼミのOBや現役生も同じような仲間意識をもち続けるようにすることを心がけております。

  • 金容度
  • 金容度ゼミの様子
  • 金容度ゼミの様子
  • 金容度ゼミの様子

第6回 坂上学ゼミの紹介

坂上学(担当科目:監査論)

私が法政大学へ赴任したのは2009年4月のことですので、まだ日が浅く卒業生も多くを輩出していませんが、ゼミでの取り組みなどを簡単にご紹介させていただきます。

学部の授業では、専門科目として「監査論」や「簿記入門」等を教えていますが、研究の専門領域としては広く財務会計・会計ディスクロージャーの問題を扱っています。ゼミで扱うテーマも、財務会計や企業評価などで実務的というよりも理論的な側面の強い題材を取り上げるようにしています。たとえばテキストとしては、スコット著『財務会計の理論と実証』、ビーバー著『財務報告革命』、桜井久勝著『財務諸表分析』などを使ってきましたが、会計学だけでなく経済学・ファイナンス・統計学との接点のある内容のものを選んでいます。学生達は、当初想像していた会計学のイメージとはかなり異なるものを勉強することになりますので、最初のうちはかなり苦労しているみたいですが、それでもゼミに2年も在籍するようになると理解が進んできます。これまでに卒業した学生達も、知識豊かで頼もしく感じられる人間となって法政大学を巣立ってくれたように思います。

坂上ゼミの特徴としては、大きく2つあると思います。1つは、普段のゼミとは別に、日経ストックリーグやインナー大会(日本学生経済ゼミナール主催)などへ積極的に参加していることです。これらの課題をこなすために、学生の自主性にまかせて週2日のサブゼミナールを行っています。上位入賞という成果はまだ得られていませんが、いつかは上位入賞できるのではないかと期待しています。もう1つは、ゼミ合宿を海外で実施することでしょうか。ゼミ合宿というよりゼミ旅行に近いものですが、単に会計学の問題だけでなく海外情勢について多角的に考えるきっかけとなるように、行った先々での色々な問題を事前にレクチャーし、現地での視察を通じて考えさせるなどの取り組みを行っています。ゼミ合宿にあまり大金を使うわけにはいきませんので、アジア太平洋の近隣国に集中していますが、基本的にゼミ生自身で行き先を決定しています。

ゼミ生の進路先ですが、会計学ゼミということもありまして、会計士や税理士志望の学生が毎年入ってきます。現役で会計士試験を合格した者をはじめ、卒業してからも会計大学院に進学して会計士の勉強を続けている者、税理士試験に取り組んでいる者が、毎年一定数おります。この他では金融機関と公務員になる学生が多い傾向にあると感じていますが、まだ若いゼミですので、今後の発展に期待したいと思います。同窓会の皆様のご支援を賜りたいと思いますので、何卒よろしくお願いします。

  • 坂上学
  • 坂上学ゼミの様子
  • 坂上学ゼミの様子

第5回 竹内淑恵ゼミの紹介

第9期ゼミ長 福島瑛二

竹内淑恵ゼミは今年、記念すべき10周年を迎えました。現役ゼミ生の目からゼミを紹介したいと思います。

竹内教授は、2003年4月着任以来、学部と大学院でマーケティング論、インターンシップやゼミなどを担当しています。また、公益社団法人ACジャパンのキャンペーン広告外部審査員や日本マーケティング大賞選考委員など、外部の仕事にも携わっています。大学卒業後、ライオン株式会社に就職し、5年間の研究所勤務を経た後、マーケティング本部広告制作部にて18年間、数多くのブランド広告を担当し、商品企画開発の支援業務も行ってきました。また、仕事の傍ら夜間大学院に通い、ブランド育成のための広告のあり方や広告効果について研究してきました。最近では、企業がtwitterやfacebookなどをマーケティングツールとして使用し始めたという社会的背景を捉え、SNSを活用したコミュニケーション効果の研究もしています。

竹内教授の研究テーマは主にブランド育成、広告コミュニケーションですが、ゼミでは広告を中心に、広くマーケティングを理解することを目指しています。実務経験の長い教授からのアドバイスやお話からマーケティングの実践的な見方や知見を得られます。
前期は毎年新しい本を教材とし、輪読をします。2012年度は『異文化適応のマーケティング』を学びました。また、統計解析ソフトSPSSを使用して、研究上必要になる分析手法やデータの扱い方を習得します。後期は、12月に開催される「関東学生マーケティング大会」の最終報告に向け、毎週教授とゼミ生を相手にプレゼンをします。前期に身につけた知識を実践に活かす良い機会となっています。

「関東学生マーケティング大会」は、早稲田、慶応、立教、横浜国大など10校以上が集い、マーケティングを学ぶ学生が大学の壁を超えて自らの研究成果を競い合う大会です。幅広い研究に触れることで知識をより深めることができます。授業外のサブゼミではこの大会に向け、白熱した議論が展開されます。竹内ゼミは周りから「がちゼミ」といわれ、厳しいとか大変だと思われていますが、この大会でも上位に食い込み、「法政大学懸賞論文」でも入選や佳作に名を連ね、ゼミ生のやりがいと達成感は大きいといえます。

授業では真剣に!飲み会では大いに盛り上がる!そのメリハリが竹内ゼミの魅力です。OB、OG諸先輩が培ってきた、活気のあるゼミであり続けるために、今後とも現役生一同、切磋琢磨していきたいと思います。

  • 竹内淑恵
  • 竹内淑恵ゼミの様子
  • 竹内淑恵ゼミの様子

第4回 小川孔輔ゼミの紹介

35期ゼミ長:最上雄平

小川ゼミは今年で36年目を迎え、OB、OG数は、300名を超え、現在の経営学部の中では、長い伝統のあるゼミの一つになっています。そのような小川ゼミを現役生の視点から紹介させて頂きます。小川ゼミを端的に表現すると、マーケティングを軸に、頭・心・体を鍛える事のできるゼミです。

普段の授業では、ゼミのテーマである「マーケティング論」を、英語のテキストを使用し、レジュメにまとめ、発表するという輪読形式で学んでいます。先生からは、理論の解説はもちろん、各企業のこぼれ話などが聞け、大変充実した時間を過ごせます。

また、小川ゼミの大きな特徴として、「フィールドワーク」が挙げられます。
「フィールドワーク」とは、授業とは別に、ゼミ生が4つの班に分かれ、一年間、担当企業の分析、調査、提案等の活動を行うものです。学生にとっては、テキストでは学べない、生きたマーケティングを学べる貴重な機会です。
今年度は、ホームセンターの「カインズホーム」、主に埼玉県で展開する総合スーパーの「ヤオコー」、山形の老舗駅弁屋の「松川弁当」、電子広告であるデジタルサイネージを扱う企業の4社を担当させて頂いています。
1年間のフィールドワーク中、担当企業の方、ゼミのOB・OG、外部の方向けに、10月には中間発表会、2月には最終発表会を行い、成果を競い合います。この発表会の様子は大学のホームページ上でも紹介されています。
年々、中身の濃い活動が出来ており、昨年度の例を挙げますと、カインズホームとの活動では、女性向けのカー用品を開発し、100店舗で発売されました。また、松川弁当との活動では秋と春に駅弁を開発、販売し、1220万円を売り上げる等の成果を残す事ができました。

他にも、小川ゼミの特徴として、先生ご自身が「体育会ゼミ」と表現しておられるように、「アクティブさ」があります。教室を飛び出して授業を行う「青空ゼミ」、先生と皇居一周を対決する「皇居マラソン」などのイベントがあります。また、年2回の合宿では、勉強の他に、スポーツをする時間、近頃はマラソンをする時間を設けるなど、非常にアクティブに合宿を過ごしています。

皆様方のご協力のおかげで、このように充実したゼミ生活を送ることが出来ています。この場を借りて御礼申し上げます。
今後も小川ゼミ生である事を忘れずに、頭・心・体を鍛え続け、活動していきたいと思います。

  • 小川孔輔
  • 小川ゼミの様子

第3回 清成ゼミの紹介

清成忠男

清成先生は、昭和四十七年に法政大学経営学部助教授として教鞭をとられることとなりました。

清成ゼミ一期生は、四月の時点で何処のゼミにも決まっていないツワモノぞろい!! 清成先生は、なんと志願者全員の合格という大盤振る舞いに打って出られたので、なんと二十七名という大所帯の清成ゼミ一期生誕生となったのでした。

改めて書くこともないのですが、ベンチャービジネスという和製英語を広く世間に周知させたのは清成先生と中村秀一郎先生でございます。

先生のゼミのテーマは、「中小企業論」ですが、今でも無知なマスコミや政治家が、中小企業は全てが競争力のない弱い存在でかわいそうなものであるという論調に終始しておりますが、清成ゼミの中小企業論は大企業に負けない、独自の技術を持っているような企業にスポットをあてた活力あふれる中小企業論でありました。

清成先生は助教授を一年、翌年には早くも教授、そして経営学部長を経て法政大学総長となられます。ここに至って清成ゼミは二十四期生でハッピーエンドを迎えるわけです。
ツワモノぞろいの一期生から、先生もゼミ生選考のハードルをどんどん高くされ、経営学部の有名ゼミと肩を並べるレベルになったと聞いたのは十期生くらいからでしょうか?
2010年5月、 「清成忠雄先生・喜寿のお祝い」を開催致し各界の方たちと共に清成ゼミOB達も多数参加し先生の喜寿をお祝いすると共に、先生の記念講演を拝聴ししばし学生気分を味わせていただくことができました。

清成ゼミのOB総数はおおよそ230名ですが、私たちのゼミは「総長ゼミ」であるとの誇りを持ってこれからも活動致して参りたいと思います。

  • 清成ゼミ 喜寿記念講演会集合写真

第2回 鈴木ゼミの紹介

鈴木武(担当科目:基礎統計学、計量経営分析)

法政大学に赴任したのは1976年で、今年で36年目を迎え、すでに定年延長に入っています。この間、統計学の講義を担当してきました。統計学というと確率や数式を使った学問というイメージですが、英語では統計学を statistics と言い、「状態」を意味するラテン語から派生したものです。英語のstateから分かるように、そのラテン語が国家や国土を意味するようになりました。したがって、人口や生産物など国の状態を記述する学問として統計学は出発したのです。それとは別に偶然を記述する確率論が成立し、それと結びつき現在の数理統計学ができあがりました。

統計学の柱の一つに大数法則があります。ある現象を観測し、その分布の平均値を計算します。観測数によって平均値は変化しますが、観測数を増加していくと、平均値は一定の値に近づいていくことが言えます。大量に観察すると規則性が見えると言ってもよいでしょう。戦前の日本の統計学では、これを「大量」と表現し、社会的な存在と考えていました。したがって、統計学は社会科学という位置づけでした。

法政大学に赴任したときの条件として、担当科目では確率や推定・検定という数理統計学を教えてほしいということでした。初等的な統計学では、記述統計と推測統計を教えるのが標準です。文科系の学生には、平均・分散という分布を表現する基本的な数字のほか、統計調査の実態や国の統計制度を話すのがよいと思いますが、どうしても確率・推定・検定という方に重点がいってしまいます。この点が多くの学生には敬遠されることになります。したがって、ゼミ生にも統計学をあまり強調しないでやってきました。

ゼミでは、統計的手法を基礎にして興味ある現象を分析するという方針をとっています。するとゼミ生は競馬や株、あるいはパチンコやギャンブルという話題を出します。しかし、これらを統計的に分析することはかなり困難です。もし法則性が見つかれば、それに従って掛け金を積めば、いずれは大金が入ってくることになります。そんなことはあり得ません。特殊な情報をつかんだ人は儲かるかもしれませんが、学問的に普遍性はありません。

ゼミでのテーマは、主に経済現象を対象に毎年変えてきました。一時期は需要関数の推定というテーマで、バナナの需要関数を手始めに、野菜、肉、魚、パンなどの産業を調べてみました。ある時期は、私が興味を持っている都市をテーマにしました。たとえば、どの程度の人口があれば、その都市で匿名性が保たれるかを調べました。端的に言えば、街中にあるラブホテルに歩いて入れる都市の人口は何万人以上かということです。タウンページから全国で約5千のラブホテルの住所を入手し、地図上にプロットしデータを作成して回帰分析をしました。ゼミ生が行った結果は15万人以上ですが、この分析手法は間違っていました。私の試算では約50万人以上です。別の年度には北海道の都市を分析したり、あるいは、ディズニーランドのようなテーマパークを全国のホームページから探しだし、その特徴を分類してみました。

最近数年間は、株をテーマにしてきました。日経ニーズから上場全社について財務データを収集し、株価を説明しようとしました。結果はうまくいきませんでした。1億円を儲けようというテーマでしたが、結論は堅実に投資をすることです。30年以上の長期間でみれば、過去の株価全体の実質成長率は年率7%弱です。実質成長率の分散も長期間になるほど小さくなるので、確実に儲かります。それに対し、国債等の債券はインフレによって減価してしまいます。ゼミ生には30歳までに500万円の株式投資を、35歳までにさらに500万円を、その後いくらかを投資すれば、退職時に約8倍になり1億円になるでしょうと話しています。私自身はしていません。

  • 鈴木武
  • 鈴木ゼミの様子
  • 鈴木ゼミの様子
  • 鈴木ゼミの様子

第1回 横内ゼミの紹介

横内正雄(担当科目:国際金融論)

横内ゼミを紹介します。

私の法政大学への赴任は1992年4月のことでした。その時以来、在外研究に出た2002~03年度を除いて18期のゼミ生を指導してきています。

ゼミで扱うテーマはわたしの専門領域である国際金融ですが、特にそれにこだわらず、広く世界経済、日本経済について学んでいます。ゼミでは前期に国際金融のテキストを使って基礎的な概念を学びます。ここでは学生の報告に私が詳しく解説して行きます。後期は、学生による報告が主体で、2~3年生が進級レポートの論文の中間報告、4年生が卒業レポートの報告を行っています。他のゼミと同様に夏と春にゼミ合宿を行っています。最近では夏に富士セミナーハウス、春に三浦セミナーハウスを使うのが恒例となっていますが、合宿では学生が自主的にテーマと報告者を決めてディベートを行ったり、金融にかかわるドキュメンタリーや映画を観て議論したりしています。むろん、ゼミの後はコンパで大いに盛り上がります。夏はBBQ、春は追いコンと、ゼミ生そして私も楽しみにしています。

今のゼミは昔と違い、ゼミ室にとどまった活動だけでなく、多くのゼミは校外にも足を伸ばしています。わたしのゼミでは毎年前期と後期に1回ずつ校外見学を行っています。訪れる場所は、日本銀行や東京証券取引所ですが、金融関係だけでなく製造業の現場も見たいと思っており、今後見学場所を増やしていこうと考えています。

また、学生には簡単に手に入る本を年間8冊指定し、自主的にレポートなり、感想なりを書いて提出するよう求めています。この8冊の本の中にはやや固い本もあります。最近の学生は本を読まなくなった、インターネットで調べてそれで終わらせているなどと言われますが、本を読んで自分の考えをまとめる作業をしてもらっています。

サブゼミはありませんが、学生は毎年日本経済新聞が主催する「学生対抗円ダービー」に参加しています。これは、5月末と6月末の円ドル相場を予想し、2回分の予想と実際の値の差を合計して数値がもっと小さいチームが勝者となるものです。いつも2チームに分かれて参加していますが、様々な経済指標を集め、場合によっては政治情勢を勘案して予想をたてています。今のところ2回の予想をずばり当てることはできませんが、かなり近い値を予想できたこともありました。

おかげさまで、このところの就職難の中ではありますが、毎年ほぼ全員就職が決まっています。やはり、金融機関への就職が多いのですが、メーカーやIT関連企業などにも就職しています。最近「就業力」という言葉が盛んに使われるようになってきています。就業力を法政大学では①文書作成力、②情報収集・分析・発信力、③状況判断・行動力として捉えています。これはゼミによって最もよく育成できるものだと思います。内定をもらった学生から「ゼミ学んだことが大変役立ちました」と言ってもらえると、少々むずかゆくはありますが、本当にうれしく思っています。

  • 横内正雄
  • 横内ゼミの様子
  • 横内ゼミの様子
  • 横内ゼミの様子

クラス会を終えて

経営学部経営学科H組 昭和49年卒業 小林一信

平成23年の11月、市ヶ谷でクラス会を開きました。大学のクラス会は珍しいのだそうです。昭和49年の春卒業ですから37年ぶりの再会でした。

卒業して間もなく有志が残してくれた帰省先の載った住所録を元に、現住所の確認作業を始めたのは22年の夏でした。中々埋まらない名簿も徐々に埋まり41名のうち32名まで確認が取れるようになりました。その間、関東在住の級友に声をかけ「準備会」を立ち上げました。その「準備会」も最初はミニクラス会みたいなものでした。名前と顔と記憶の確認に何度も準備会を開き、本番の「クラス会」の日程を、「桜の咲くころ、母校のそばで」と決め準備を進めていきました。

開催までひと月足らずの3月11日に東日本大震災に見舞われ、延期を余儀なくされてしまいました。あの大震災と大津波により、級友の一人が被災していました。間もなくそれを知った級友たちから自然と支援の声が上がり、応援メッセージや義捐金が彼の元へ届けられました。あの未曾有の天災のおかげで「友情」が新しく復活することになったのです。

クラス会は、確認の取れている32名のうち28名までの出席を見ることができました。被災した東北青森から、九州新燃岳の宮崎まで、全国から母校前に集まりました。その11月5日は奇しくも「学園祭」の当日で、若き後輩たちの喜々とした姿をみて、37年の時の流れやわが身の歳を弥が上にも実感させられたのは私だけではなかったようです。

最初のクラス会ですから多少は型どおりの進行にはなりましたが、変容した級友の顔と昔の記憶が繋がるのにそう時間は掛りませんでした。37年の時空がお開きまでには完全に埋まっていました。筆を進めている今でも、肩を組んで校歌を歌った、みんなの声が耳の奥に響いています。

まだ名簿は埋め切れていません。地道に調べていつか全員でクラス会を開きたい、これは私だけでなく11月5日に集った級友たちの思いでもあるでしょう。
次回はいつにしよう。そんなメールが昨日も届きました。

  • 正門前:外堀の階段にて

    正門前:外堀の階段にて

  • 懇親会会場にて:集合写真

    懇親会会場にて:集合写真

  • 校歌斉唱1

    校歌斉唱1

  • 校歌斉唱2

    校歌斉唱2

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